財団法人東京プラスチック会館

Tokyo Plastic Kaikan Foundation

 
K2004国際プラスチック+ゴム専門見本市視察報告書
福田 龍夫

主な研究分野:

プラスチック(アクリル・ポリカ・ABS)等の成形及び接着、加工
(パソコン、電子回路)

応募の目的:

日本国内だけでなく国外の業界を見たい。
外国の視点を研究してみたい。

派遣先での調査・研究事項:

金型業界・プラスチック業界でのCAD・CAMの普及状況の調査
新素材、新加工方法の探究。

参加期間:

平成16年10月24日〜26日

視察場所:

国際プラスチック+ゴム専門見本市(ドイツ:デュセルドルフ)
及フィシャー社、モールドマスター社

レポート構成:

■メッセ・デュッセルドルフ(K2004見本市見学)
■フィシャー社(工場視察)10月27日
■モールドマスター社(工場視察)10月28日
■まとめ
■メッセ・デュッセルドルフ(K2004見本市見学)

日本の幕張メッセの2倍の広さがある為、1日目は概略をつかむため駆け足で会場を回り何処に何があるか、興味がある場所は何処か、を確認して回った。
全体で射出成形やブロー成形の装置や機械が7割を占めている。
素材関係が3割といった感じ。
弊社と関係するブースは1〜8(会場図)が多く展示してあった。
同業者の動向
社名 CLAX ITALIA
弊社はアクリル、ポリカ、ABSの板を加工する会社ですが、特にアクリルの厚板加工については世界中で3社しかないと考えていましたが、今回イタリアの会社でアクリルの厚みが200mmある板が出展してあり驚いた。弊社で加工するアクリルの厚板は主に水槽に使用しているがこの会社では飾りなどに使われているようだ。水槽という特殊な部門ではなく生活に身近な椅子や窓、などに使われている。特にアクリルで作られた椅子の中に草などを入れて装飾とする加工は弊社でもバラの花でおこなったことはあるがこのように透明度を保った製品は珍しい。また、建材にも使われているようだが、日本ではアクリルを建材に用いることは禁止されており海外ならではの使い方である。
弊社でもスキーリフトのカバー(アクリルとポリカーボネート)をやっているがポリカーボネートをこれほどきれいに、また深く曲げられることは驚き。
背景の文字が歪んでいない。

真空成形品
真空成形加工業者はビデオ上映で加工工程を見せていた。 比較的大物の成形が目立つ。

加工機械(真空成形機)
真空成形は少量多品種の時代に合った生産方法。 インジェクションに比べ型代が安く生産ロットが少なくて済む。 全体から見ると機械の展示数は少ないが数社展示があった。 成形機の基本構造は変化が見られない。
制御方法はコンピューター内蔵型、冷却ファンの方式は違う。

弊社にも売り込みに来たGEISS社の成形機 は、ハロゲンヒーターを使用している。
ヒーターは引っ込んでいる時(製品冷却中)電源が落ちていて省エネタイプ。ヒーターの温度が成形温度に達する時間が1秒以下。

2次加工機(トリミング)
今や後加工は3軸制御から5軸制御(スイングタイプ)になっている。主軸の大きさも小型化が進んでいる。(片支持型)
日本でも5軸制御の機械が増えてきたが今回展示の機械は殆んどが5軸制御の機械であった。
主軸回転数も今や20000rpm〜40000rpmの領域。
主軸の大きさから比べてこの回転数は驚き。

5軸制御加工機
こちらは映像だけの展示。 3本の回転軸を持っている。
夫々に用途に応じた刃物が付けられている。いかにもドイツらしい機械。
5軸制御の加工プログラムを作るにはCAMソフトが必要で日本ではこの手の展示会には多くのスペースをとって展示してあるが、意外と少なかったCAD/CAMの展示。
DELCAM社のソフトは弊社も使用している。CAEとして他に1社見かけただけ。

展示風景
およそ展示場の雰囲気ではないが見学者が
絶えない。 バーあり生演奏のバンドあり、ワインなどを飲みながら商談をする光景はおよそ日本では考えられないもの。柔軟性がある彼等の発想、あるいは習慣なのかもしれないが見ていて寄ってみたい気にはなる。

フィシャー社(工場視察)10月27日→
このページのTOPへ↑
財団法人東京プラスチック会館